高校受験

高校受験の解説①ー「都立高校と私立高校、どちらがいいですか?」の質問について

大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。

中学生の親御さんと進路について話をするとき、よく聞かれる質問の一つが、「高校は公立にするべきか、私立にするべきか」という点です。

私立の方が「設備がよくて校舎がきれい」とか、「(修学旅行などの)行事や授業スタイルが充実している」というのは皆知っていることです。大学の付属校であるならば、今後の進路を安定させるという点でメリットがあったりします。

多くのご家庭では、学校見学などを重ねる中で、お子さん本人にあっているのはココだ、と結論に至ります。

私立あっても公立あっても、本人にフィットする学校が見つかるのが一番良いことです。

本人が「この学校がいい」という強いメッセージを発することがなによりも大事ですが、親御さんが「うちの子はこの学校があっている」と確信していることも貴重だと私は思います。お子さんの性格や、今後の可能性や、逆にウィークポイントを一番知っているのは親御さんですから。もちろん、最後は進学する本人の意思がなくては受験は成功しません。

 

ところで、時に「私立か公立か」の問題で最後まで悩んで結論がなかなか出せないという受験生(というよりご家庭)からの相談もあります

「その私立に行くだけの付加価値があるならいいけど果たしてコスト(多額の学費)に見合うだけのものが本当にあるのだろうか?」と考えてしまい、最終的な結論がなかなか出せない、ということかもしれません。多くの場合、受験生本人も、『ここに行きたい」という強い意思表示がなかったります。

どうすればいいか?

単刀直入に私の答えをまず書きます。

 

どちらかでずっと悩むのであれば、都立高校の方がいい」です。

なぜか?

悩み続けている時点で、親御さんの軸は公立高校にあるからです。

 

「都立高校に行くのが基本。でもなにかメリットがあるなら私立でもいいかな。」

もしかしたら親御さん本人も公立高校ご出身なのかもしれません。←決してなにかの「差別」をしているわけではありません。私も公立高校出身です。当たり前ですが、自分自身が経験したフィールドが判断の基準になり得ます。

私立に付加価値があるかどうかを問うのは、進路を決定する上で間違ったことでありませんが、「なにか付加価値があるなら、学費を多く払う(言い換えると、付加価値がないならお金をあまりかけずに公立にいってほしい)というスタンスで私立高校を選択すると、多くの場合、進学した私立高校では幻滅するでしょう。

私立と言えど、高校は高校です。いじめだってあるし、先生の対応が無礼なこともあるし、私立に行ったからとて大学進学が保証されているわけでもありません。

都立か私立かで最後まで悩まれてから私立を選択したご家庭の方と卒業後お話しすると、「やっぱり別の学校にしておけばよかった」という言葉をお聞きすることが多々あります。(もちろん、「この高校にしてよかった」という方も沢山いらっしゃいます。)

逆に、最初から私立高校を志望校にして進学した方、あるいは「うちの子には、この私立高校が良い」と判断されて、コスパではなくてお子さんと学校との相性を優先した方は、その後高校生活を楽しんでいるそして卒業していく)ことが多いと感じます。

興味深いと感じるのは、第一志望校が都立高校だった(あるいは上位の私立高校だった)ものの、残念ながら不合格で滑り止めで合格していた私立高校に進学したケースです。私の知る限り、当初第一志望校ではなかった私立高校ながら、今は満足して喜んで通っている生徒、通わせている親御さんを目にすることがほとんどです。「第一志望校を最後まで戦いきった」という自信が身についているのもあるかもしれませんが、もともと「本命校ではなかった」という期待値の低さが、逆に入学後の思わぬ喜びや満足感につながっているようにも感じます。

 

さて、多くの親御さんが高校受験の志望校を考慮するに際して気になる点は、「高校後の進路」でしょう。

つまり、私立の方が大学進学が良いのか?という点。

まず、大学の付属高校に行くのであれば、そこは別格です。少なくともその大学には上がれるチャンスが格段に広がります。

では、付属ではない私立高校はどうか?

あるいは大学付属の高校からその大学以上のレベルの大学を受ける場合(例えば、日東駒専の付属高校から大学でMARCHに上がる、という例がそうです)はどうでしょうか?

ピンキリです。すごく面倒見の良い私立高校もあります。ただ、その高校の合格実績だけを見て「この高校は進学がしっかりしている」というのは早計な判断かもしれません。

塾業界で大学受験指導を担当しているとそれが良くわかります。

学校パンフレットなどに「充実した受験指導体制」という文言を並べている私立高校は数多ありますが、その高校の生徒が塾には沢山いたりします。高校で行っている「充実した受験指導」では全く足りない(その学校の課題がむしろ受験勉強の足かせになっている)と感じている私立高校生が塾や予備校には大勢通っているのです。

もちろん、私立高校によっては「大学の指定校推薦枠が沢山ある」とか「高校3年生になった時のクラスメイト達の空気感が受験の方向に向いていて勉強に集中しやすい」といったメリットもあったりします。ただ、言うまでもなく「学年」やその時々の「状況」によって変わるような要素です。こういうメリットだけに注目して志望校を決めるのは危険なことでしょう。

 

ところで、私立高校に進学する場合、受験方法は主に2種類あります。「推薦入試」で進学するか、「一般入試」で進学するか。この二つ、いずれも意外な落とし穴があります。

次回のブログでその点をまとめます。

 

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