中学部ー「都立高校と私立高校どちらの方が良いか①」都立目黒VS私立目黒日大編
大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
東京都も含め、「私立高校の授業料無償化政策」が今年度から本格的に始まりました。(東京都は昨年までも所得制限を設けて実質行っていましたが)
今年の春に行われた私立高校入試の結果を見てみると、昨年度も「実質無償化」していた東京都はあまり入試倍率等に変化がなく、今年から「初めての無償化」が始まった神奈川県は、やはり昨年度より私立高校を好む傾向が強くなった、と感じました。
改めて、2027年度の入試を考えたときに、
「公立高校に行くべきか、それとも私立高校にいくべきか?」
どちらがよいのかを塾講師の立場で述べたいと思います。
まず、同レベルの都立高校・私立高校を比較します。(品川区・大田区からの受験を想定します)
一般的に、
都立高校の自校作成校(都立新宿・都立青山・都立国際など)や共通校トップ校(都立小山台・都立竹早など)を合格できる学力の人は、私立のMARCH付属(私立中大杉並・私立法政大高・法政第二、私立明大世田谷など)にもチャレンジできる状況にいます。
都立高校で「中堅上位校」と呼ばれる高校(都立雪谷、都立目黒、都立豊多摩など)を合格できる学力の人は、私立の日東駒専付属(専修大付属、駒澤高校、目黒日大など)が射程に入る状況です。
前者については次回のブログで論じます。
今日は後者の高校について。
「都立目黒を受ける受験生」はおおよそ「オール4」レベルの生徒です。
9科36、5科20といった内申を持っている中3生。
この子たちが私立の単願推薦を狙うとすると、「私立目黒日大」がちょうど良いくらいの成績です。
両校の大学進学のレベルは「だいたい同じ」とみていいです。
都立目黒の上位は「GMARCH」(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)に行きます。もっと上の大学が受かる子もいますが、基本的に上位はGMARCHライン。中堅層は日東駒専ラインでここがボリュームゾーン。
私立目黒日大も、上位の「選抜クラス」の生徒を中心に「外部」のGMARCHへ。進学クラスを含め学力中堅層は「日大」へと進学します。
違いは、私立目黒日大の場合、「日大」に内部推薦で行ける道を残しながら、他大(GMARCH)などをトライできる状態にある、ということ。ようするに「落ちたときの保険」があるわけです。
「じゃあ、私立目黒日大のほうがいいでしょ」
と思うかもしれません。
塾屋の私から見ると「あまり差はないかな」と感じます。
だって、都立目黒からGMARCHを受験するようなタイプの子は、一般入試で無理しなくとも「日東駒専」レベルは受かるので…
(もしGMARCH志望なのに日東駒専が1校も受からない、ということであれば、そもそも、その受験生はGMARCHなんて狙うこと自体が間違っています)
わたしは、都立目黒にするか、私立目黒日大にするかの大きな分岐点は
「おしりに火をつけたいタイプか、つける必要はないと感じているタイプか」
だと思います。
「自分は絶対にGMARCHに行きたい」という気持ちの人は、都立目黒に進んで、高1の時から大学受験予備校にバリバリ通うことをお勧めします。最初のうちは予備校で現実の厳しさを思い知り、高校生活の後半になると高校の「意識高い系」の子達とも切磋琢磨して頑張るといいでしょう。「おしりに火がつく」環境になってきます。
私立の付属で、その「意識を燃やす」のはなかなか難しい。全体的に「大学受験を意識しない」空気が流れているからです。
私立の(日東駒専を含めて)付属高校の説明会には私は何度も通っています。
『特進クラス』・『選抜クラス』の受験生を中心に高3が頑張っているのがよくわかりますし、実際その子たちは大学合格していくわけですが、
「この子たち、よく『他大を受験しよう』と思ったな」
と感心します。それくらい付属高校から他のGMARCHにいく「エネルギー」をみずからの内に生み出すのは難しいことだからです。
もっとも、都立高校だって、「大学受験」の方を向いていない同級生が沢山いますし、環境がいい、と言っているわけではありません。
でも、「この先がない」という断崖絶壁の意識を持たざるを得ない状況なので、中堅上位以上の都立高校には強い意識を持っている子が最初から一定数います。
では、私立目黒日大に進学するのは利点がないのでしょうか?
全くそんなことはありません。
なぜならば、全員が「おしりに火をつける」必要はないからです。
最初から「日大に進学することを希望している」人、
「高校は部活動を頑張りたいので、大学受験はしたくない」と考える人。
決してその決定は悪くありません。
むしろ、中学である程度「内申を稼いで」、高校はその貯金で過ごす、というのは賢い選択だと思います。
また、「中学で上手く内申を取り切れなかったが、大学入試では一発逆転をする」という思考の子もいると思います。中学3年生の時点でオール3レベルの人は、基本的に都立目黒や都立広尾は届きませんし、私立目黒日大や私立駒澤、私立専修付属なども推薦でのエントリーはできません。
ただ、最後の数か月で受験勉強を頑張って、一般入試で私立目黒日大等を受験する人たちがいます。(都立もダメ元ですが、当日の高得点化を狙って目一杯跳ね上げてオール3クラスで都立目黒などをチャレンジする猛者がいます)
こういう「下剋上ができるタイプ」の人は、高校は都立だろうと私立だろうと、大学入試のときは再び這い上がってきます。「おしりに火は常時ついている」ので、どっちのほうがいい、というのは野暮な話です。
受験生一人一人の適性を考えて受験校を選択するのは大切なことです。
うちの塾の場合、成績を追いかけるだけではなく、こういう「適性」を考えて進路決定ができるよう相談を受け付けています。
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