大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
昨年に続いて、日本はまた新しい総理大臣が誕生しました。岸田総理は記念すべき100代目の総理大臣。アメリカのバイデン大統領は46代目の大統領ですから(しかも歴史はアメリカの方が100年近く長い)、「日本史」で総理大臣を全員覚えないといけない高校生はちょっと大変です。
今日は「ニュース番組」と「公民」(政治経済)の話。
ニュース番組を見ることは中学高校の「社会」や国語の「読解力」を磨くうえで有益です。以前のブログで書いたとおり、私は夜のニュース番組をおすすめしています。
中3受験生に「夜のニュースをしっかり見ろよ」ということはあまり言いません。受験勉強という近々の課題を差し置いてまで見る必要性を感じないからです。そもそもニュースなどを見て社会の知識を増やしていく、という作業は継続的なものであり、できれば中1くらいから続けてほしいものです。
ところが、今回ばかりは「中3生も受験勉強の間にニュースを見るのほうが良いかも」
と少し思っています。(もちろん、中1・中2生も)
首班指名で岸田総理が選ばれたのが10月4日。(さすがに、これは言われなくとも多くの中学生が観たと思います。)
続く、親任式(天皇陛下による任命)、組閣(国務大臣は総理大臣が任命)などが1日の間に観られました。
ここからは臨時国会が始まります。(7月以降だから「通常国会」ではありませんね)
「国会中継なんか長々と見てられないぜ」と思う人もいるかもしれませんが、安心してください。今回はたった11日しかありませんから。(衆議院の任期がもうすぐ終わります。)残念ながら日本の政治の風物詩である予算委員会の一問一答(これが「委員会」というやつです)は観られませんが、本会議の様子も見られるし、総理の所信表明も見られます。
衆院の任期満了(10月21日)をわずかに残して10月14日に岸田総理は「衆議院を解散する」と言っています。
すぐに、「総選挙」です。「与党・野党」の選挙合戦。そして、10月31日に投開票。
結果が出たら、新しい勢力で総理大臣を再び選ぶために国会に集まります(これが「特別国会」です)。
わずか1カ月で、公民の「国会・内閣」の学習範囲の全容を垣間見れる、というのはかなり貴重な経験だと思います。(ここまでで、中3の学習内容が相当出てきました)
塾から帰ったら、1日15分くらいでいい。「ニュースZERO」とか「NEWS23」などで日本の政治・日本の国会の仕組みを見てみるのはどうでしょうか。おそらくこの時期はトップニュースが政治関係になる可能性が高いでしょうから、最初だけでもいいと思います。(「ダラダラとスポーツや特集まで見るな」とは言いません。家でスマホのゲームをするよりははるかに教養が身につくはずです。)
注意を一点。朝のニュースや昼のワイドショーで情報を得ないこと。意味のないニュース(皇室の結婚の騒動とか、芸能人のスキャンダルとか)に時間を潰すのはマイナスでしかありませんし、ニュースよりも出演しているコメンテーターの発言に重きが置かれています。
もっとも、夜のニュースを1カ月見たところで、政治の全体はわからないはずです。でもそれでいいんです。総選挙の直前もしくは直後に、池上彰さんがやっている番組のなかで「選挙について」・「国会について」特集してくれるでしょう。ニュースを毎日見たうえであれを見るとかなり理解できるでしょう。そして選挙当日の選挙特番。毎回夜中までやっていますが、24時間テレビを夜中まで見るよりははるかに勉強になるはずです。各局とも「演出」している感がかなりありますが、「社会」に興味をもつきっかけになりそうな数時間です。
間違っても、このブログを見ている親御さんで、全く政治に興味がないお子さんに毎日夜のニュースを見せるようなことはなさらないでください。
まず、本人に少しの興味があること。(ポイントは10月4日の動きをニュースで見ていたかどうかです。新しい総理大臣が誕生したことすら知らないなら、ニュースなど観ずに英語か数学の問題を解き続けたほうが学力は上がるでしょう。)
少し興味があるなら、勉強の合間にテレビや特番や池上彰のバラエティー番組を息抜きがてらに観てみてください。そこで興味がさらに湧いたら、それを思いめぐらしなら、社会を覚えたりや国語の論説文を解くときの糧にしてください。
一つ一つの情報や興味が学力の偏差値を1ポイント上げることはありません。でも、興味を引くきっかけを沢山得ている人が最終的に偏差値を上げます。(これは入試まで残り130日の中3受験生にも当てはまることだと思います。)
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