大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
生徒:「この科目、自分は苦手だから。」
私:「そうか。じゃあ75点までは取れるな。」
昔から変わらない、山口の常套句。
「不得意科目は75点までは取れる。」
「苦手科目」と生徒本人が感じている場合、その科目の学習内容はかなり以前から躓いていることがほとんどです。学校の定期テストに向けて対策する場合、すべての単元を巻き戻してやり直す必要はないですが、基本的にある程度基礎を入れ直す必要はあるかもしれません。そして、学校の当該範囲を入れていく。その辺は全員一律同じ対応です。
人によって覚える速度も、理解するタイミングも違う。加えて、その子を取り巻く環境(他のことに気が散らされて勉強のことを意識する時間が少ない状況)によって勉強の進度は違います。
それは承知の上です。
でも、恐らく75点くらいまでは、苦手科目でも取れるようになると思います。
学校の定期テストでも、(都立高校共通問題の)高校の入試問題でも。
平均点が60点前後の場合、おおよそ「基本問題」と言える設問が70~75%くらいです。都立高校の共通問題も平均点は5科目で300点前後くらいなので、やはりこの範疇。
生徒本人が「本当に取れるようになりたいんだ」という気持ちがあり、そのために全力で努力し続けているなら、いわゆる「基本問題」はほぼすべて取れるようになる、と私は思っています。
※注1:中学校によっては平均点が50点を割るような奇抜な問題を沢山出題する定期テストがあることも承知しています。それは例外として今回は扱いません。
※注2:いわゆる「多様性の時代」と呼ばれ、発達障害等の症状を公にする場面が増えてきました。私は「個性」と呼んでいますが、基本的に多少覚えることが苦手だったり、理解に時間がかかる場合があっても、通常の学校生活が問題なく送れているのであれば「学校で習う基本的な事項はすべて覚えきろう」というスタンスです。そして実際のところ、今までの指導において多少のディスアビリティーがあると懸念された生徒達でも、生活習慣や環境を変化させて本気で勉強に打ち込んだ場合において、この「75点ライン」の目標はほぼ到達できたと感じています。
大切なのは、苦手科目の当面の上限を指導する側が決めてあげることだったりします。
苦手科目を持っている生徒にとって、あるいは勉強自体が苦手な生徒にとって、その科目で70点以上を取ることは「無理なこと」、「難しいこと」だと思いがちです。
「俺、勉強苦手だから。」
小学生の時から勉強に苦手意識がある子だと、今まで低得点の積み重ねで自信も失い、特に中学生にもなれば「自分はできない」と言って「謙遜(?)」したほうが後でバカにもされないし得策です。
だから、大人が一旦言葉で知らせてあげる必要があります。
「たしかに、この科目はあなたは苦手だから90点や100点は取れないだろうね。でも、あなたが覚えられる部分をすべて集約したら、最大で75点までは取れる」と。
そうすると、「75点までは頑張って上げないといけない(上げられるのか)」と思えます。実際にその時点では40点くらいしか取る力を持っていなかったとしても、(当面の)最終ゴールが75点であることがわかったので、そこまでは引っ張ってみよう、と思えたりします。
実際に75点というのは、いい目標数値です。30点、40点の子でもなんとか頑張れば「届くかもしれない」という数字です。
そして、この75点は実際に到達したときに学校の成績で言うと「3」と「4」の切れ間くらい。75点まで到達した生徒は、そこから「もっと取ってやろう」という気持ちが強くなるものです。結果、その苦手科目が最終的に得意科目になることもあります。
昔、「英語が大の苦手だ」という中2の男子生徒が体験にやってきました。英語の成績は「2」。でも体験授業をしたときに、真剣な顔つきで問題を解いている姿が印象に残りました。
私:「よし、3年生になるまでに、英語で75点を取ろう。75点までなら取れる。」
生徒:「え~70点以上取ったことないっすよ~。」
75点を目標にした彼は、中2の秋に目標の75点を超え、3年次には英語で「5」を取るまでに成長しました。高校になっても指導が続き、今は青山学院大学に進学しました。
まずは、75点。
不得意科目のチャレンジを始めてみませんか?
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