高校受験

高校受験の解説④-私立フリー受験の意外な落とし穴

大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。

私立高校入試についての解説、今回が最終回です。

 

今日は、優遇が全くない一般入試、つまりフリー受験について

このフリー受験は学校の内申点は関係ありません。極端にいうと、学校の成績がオール1でも受験できます。また(併願入試は中学校の欠席日数が3年間で〇〇日以内というような制約があるのですが)フリー受験は中学校で欠席日数が沢山あっても問題ありません。とにかく、当日の学力試験(英数国の3科目)で合格点を取れるかどうかがすべてです。私立の学力最上位クラスの高校では、単願推薦や併願などの優遇を一切行っていないところもあり、このフリー受験、当日の一発勝負がすべて、という学校もあります。

このフリー受験での私立高校入試については、一つ注意するべき点があります

それは、フリー受験の一般入試は募集人数通りに合格者を出してくれるとは限らない、という点です。

つまり、100人近い生徒を募集を一般入試で募集していたとしても、極端な場合フリー受験の人は数人しか受からないこともある、ということです。

どうしてそうなるのか?

入試で「単願推薦」や「併願」による合格者を予想以上に出してしまった場合、全体の合格者数を定員以内に収めないといけないからです。

学力最上位のフリー受験のみをおこなっている私立高校ではそうした問題はほぼありません。ただ合格点を取るのみです。

注意すべきは「単願推薦」や「併願入試」を積極的に行っている高校のフリー受験です。

単願推薦や併願優遇の合格者は定員締め切りが基本的にありません。もちろん、募集要項では一応『定員』が決められています。ただ、事前に中学校の先生たちから入試相談があったり、受験生が個別相談に来た場合、基準内申に達してさえいれば高校側は全員受け入れることになっています。「今年は申し込み者が多いから」といって直前に基準内申をあげることはないわけです。(時々、併願優遇を取る生徒やその親御さんから『いくら確約といっても、受験人数が多かったら落ちることも覚悟しないとダメですよね?』と質問されることがあるのですが、『全く問題ありません。大丈夫です!』というのが答えです。)

とはいえ、高校には(空間的な)キャパがありますから、1学年あたりの合格者人数には限界があるわけです。

単願や併願で人数が集まりすぎてしまった場合、どうするか?

一般入試のフリー受験合格者を減らすしかありません

毎年、受験者数や合格者数を開示している私立高校がほとんどですが、かなりの私立高校が「一般入試」の受験者数や合格者数を「併願入試込み」にして掲載しているのはそのためです。純粋なフリー受験での合格者(倍率)がつかめないことがあります。フリー受験は入試全体の調整弁になるときがあるのです。

もっとも、私立高校の先生方は入試のプロですから、毎年どれくらいの併願受験者が受験するか、歩留まりがどれくらいになるか、事前に計算しておいでです。基本的に、毎年どこの学校でもそういう現象が起こるわけではありませんフリー受験枠が調整弁になるときもあるということです

どんなに事前に計画をしていても予想に反して人数が膨れ上がることはあります。一般入試のフリー受験を受ける枠が少なくなることはどうしようもないことです。(言うまでもなく、私立高校の先生方を責めたりするのは場違いでしょう)

ただ、私立高校(特に、併願優遇を積極的に行っている中堅私立)をフリー受験する受験生は、事前にそのことに留意しておくことは重要でしょう。

「内申が足りないから、フリー受験すればいいや。過去問解いたら昨年の合格点に届いているから大丈夫だろう」

ではなく、

入試が厳しい状況になっても(フリーの合格者枠が昨年より少なくなっても)余裕で合格できるように①合格点プラス30点くらいの点数を過去問を解くときに意識すること②余裕で受かりそうであっても、フリー受験の高校とは別に抑えとなる併願優遇校を最低1校は確保しておくこと、がとても重要だと私は思います。

 

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