大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
この時期になるとよく聞かれる質問について、今日はお答えしたいと思います。
「うちの子は私立高校が第一志望なんですけど、理科社会はもう勉強しなくていいですか?」
1)(内申の基準が全く関係ない)私立高校のみを受験する中3生
→夏までは「理社」も全力でやるべきです。
2)(内申の基準がある)私立高校のみを受験する中3生
→二学期の期末テストまで「理社」も全力でやるべきです。
3)公立校も受けるが、私立高校が第一志望の中3生
→最後まで「理社」を全力でやるべきです。
「おいおい、非効率じゃないか?」という意見も聞こえてくると思います。「私立受験者に理社なんかいらない」というお考えの塾も沢山あると思います。それはそれで「やり方の一つ」だと思いますので、「理社は全くやる必要がない」という結論を出されたご家庭の方は、そういう塾に通われることが良いでしょう。
私は、上記の通り、とりわけ中3の夏については、理科社会はすべての受験生が勉強する価値があると思っています。それで、今年の夏の夏期講習に関しても「中3生は(受験校関係なく)全員5科目の入試対策をする」と銘打っています。
なぜか?
1)理社の「基本的な知識」はすべての入試に役立つから。
学力上位の難関校と言われる高校の入試問題を解くとき、意外なほど「理科」や「社会」の基礎的な知識が求められることに気づきます。
私立高校第一志望の中3生の皆さんに質問です。
①ミシシッピ川ってどこの国の川ですか?
②ODAってなんですか?
③東ティモールってどこですか?(どんな歴史を持つ国ですか?)
④タクラマカン砂漠ってどこですか?
⑤戊辰戦争ってなんですか?
答えられましたか?すべて、過去の私立高校入試問題の「英語」や「国語」の文章の内容に含まれていた知識です。入試問題の英語や国語を読むときに必ずしもこれら社会の知識を文章中で説明してくれるわけではありません(というかすでに知っているものとして扱われます)。
「そんなこと言ったって、自分は私立受験者だから理科社会はやってないよ」
なんていうへ理屈は通用しません。
「中3生なんでしょう?中学校で習ったことは当然覚えているよね?」
学力上位の高校ほど、この傾向は強くなるものです。(ある意味当然だと思います。それなりの学力の私立高校は、入試問題で理社がなくとも、理社もあたりまえのようにできる生徒が欲しいでしょうから)
だからこそ、夏くらいまでは基本的な理社の知識は当然のごとく入れておくべきだと私は思います。(もちろん、英数国と同じ比重で勉強しろ、とは言いません。でも、理社を「軽視」する理由はありません)
2)理社は得点源になるから。
エントリー内申が関係する私立高校受験者が二学期の期末テストまで理社を勉強するのは言うまでもありません。
特に、この「二学期の期末テストまで理社を勉強する人」は意識の面で注意が必要だと思います。
私の経験上、「私立高校のみの受験者」の7割~8割が、二学期の期末テストで理社の点数が振るわない状況が続いています。結局のところ、受験生自身の気持ちが逃げてしまうんです。「全部頑張らなきゃ」と思いつつも、どこかで「自分は私立受験者だから英数国で点を取ろう」と思ってしまう。
私立第一志望の生徒が公立高校も同時受験すると、理社が足かせとなって、公立高校を落としてしまうのもよくあるパターンです。第一志望の私立が受かればよい話ですが、もしその私立が落ちた場合、公立高校も無くなってしまう。
確率的に言うと、公立高校第一志望の生徒の方が、難関私立高校に合格する可能性が高いと私は感じています。公立で五科目取りこぼしなく取り切って、私立のその勢いで三科目しっかり取り切れるからです。
入試においても、学校の定期テストにおいても、理社は得点源です。努力すればだれでも90点台を取れる可能性がある科目です。だからこそ、「気持ち」で点数を逃さないようにしてほしい、と願っています。
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