高校受験

中学部春期講習2日目の様子-『勉強することの意義」を考える。

大田区大森の進学塾。大森山王学院の山口です。

3月28日(日)。この日は中学部の春期講習2日目です。

「週に1回の講習って…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大森山王学院の中学部は平日も通常の授業が開講していますから、このペースがちょうど良いかと私は思います。むしろ、講習は「スペシャルイベント」。普段は絶対に手を出さない(時間などの制約で手を『出せない』)事柄を生徒達に伝えていきたいと思っています。

中2生の授業

先週は「気候」や「地形」などでしたが、2日目は「人」に注目

一般的な「日本地理」のテキストや参考書は「人口問題」として解説されている単元です。教科書を字面通り追っていけば、「アフリカは人口爆発をしている」とか、「本は少子高齢化で人口が減り始めている」といったことを話すのが相場です。もちろん、私もそのあたりは順を追って説明します。

でも、この単元って、ものすごくバックグラウンドが広いテーマでもあったりします。もう大学のゼミで1年間議論しつくしても終わらないくらい(その問題を突き詰めて研究することを専門としている学者がいるくらい)壮大なテーマ。

私はまず、「先進国」って何だろう。「発展途上国」って何だろう?というところから質問しながら進めていきます。

この時に、生徒の口から出てくる「先進国」の国名、「発展途上国」の国名を聞いて、その子がおおよそ「社会」というものに対してどれくらいの関心や知識を持っているかを把握することができます。

そのうえで、先進国ってどういうものなのか、授業で説明を加えていきます。(この時に、『G7』とか『Brics』なんていう言葉も教えたりして、教養を広げていくわけです。)

先進国とか途上国の概念を掴んだら、『経済的な水準と人口の関係』を話していきます。そうすると、日本の説明に入る前に、日本が「少子高齢化」の問題を抱えていることに生徒は自ずと気づけます。そしたら、次は3年生で習う『公民』分野から、「財政の話」も一気にしてしまいます。

日本の国債の話や、社会保障費の話などを、生徒達に身近な「消費税」などの話と絡めてしていきます。←これで、中学生の定番である『税の作文』を書く土台ができました。

この税金の話をすると、中学生のほとんどが(社会という科目にほとんど興味を持っていなかったような子でも)強い関心を示しますね。やっぱりテレビ等で報じられる「税金の無駄遣い」みたいな話が子供たちの良心に触れているのだろうと思いますが。

中学生の多くは、日本の国債発行額や、日本の高齢者の割合、今後予想される税金の負担増などを話すと

日本ってお先真っ暗じゃん

といったような感情になります。

(ちなみに、国債の詳しいフローや日銀の金融政策などの話はややこしくなるのでここではパスです)

私:「じゃあ、あなたはどうやってこれから生きていくの?

生徒:「……。

こうやって、生徒達は思考を刺激されていきます

日本を脱出して海外で生活するんだ。」とか

日本のシステムを変えるべきだ」とか

高齢者は見捨てて、若い人だけ残せばいいんだ」とか(←テレビで発言したら大炎上必須の発言ですが、まぁだいたい毎年こういった意見は出ます。ちなみに、今年の山王学院の生徒はこの意見には反対でした。心優しい子です…。)

内容が妥当かどうかは別にして、中学生の頭で必死に考えます。これが重要です。

そして、教師と生徒で数十分議論して、必ず毎年同じ答えが出ます。

勉強して、頭のいい奴になったほうが得だ。」と。

日本を脱出して海外で生活するにしても、日本の「やり方」(システム)を変えるにしても、ますます高くなる税金を払いながら生活するにしても、

勉強して、『できるヤツになって』、(しっかり)稼がないとダメなんだ。

という結論に誰もが到達します。(実際には、『じゃあ、もうどうにでもなれ』という結論の子もいると思うのですが、おそらく、そこまで投げやりな子はそもそも塾には通わないのでしょう…。)

中2くらいでこういう感覚を自分の心の中に植え付けることが、その後、生徒達が勉強を続けていくうえで、動機付けとしてすごく重要である、と私は思っています。

色々、感じたこともあったのでしょう。テキストに線を引いたり、メモをしたりしながら『能動的』に勉強できていました。

線を引く、メモを取る、という作業は勉強を能動的に行う『印』みたいなもので、これを(先生に言われなくても)自主的に行えるようになったら、そこから先は(学力の上昇も)早い、と私は感じています。上記の写真は、「まだまだスタート地点」ではありますが、変化と努力を感じる一枚でした。(本人の了承を取って1枚撮影)

 

 

続いて中3生の授業。ついに本格的な「都立高校」の過去問に。(大苦戦は覚悟の上です。)といっても、平成20年前後の「ゆとり教育」時代の過去問ですから、まだまだ優しいですが。

都立自校作成校を受ける子も、私立高校を受ける子も、(あるいは、神奈川県立や国立の高校を受ける子であったとしても)最初に「都立高校」(共通)の過去問から入っていくのはメリットがあると思います。大学の「共通テスト」(旧センター試験)のように、良問が揃っていて、基礎力をつけるのにうってつけの『教材』です。(今年の都立高校入試の解説のブログで、問題を相当酷評しておいて相反しますが、都立高校入試問題は基本的に毎年いい問題です。←だからこそ、少しでもブレると一言いいたくなるわけですが…)

当然ながらまだ習っていない単元があり、本日も都度説明を加えていきます。

でも、ご覧の通り、本日は「関係代名詞」まで入りました。

『受動態」・『現在完了』は二月に教えましたから、この春で「分詞の形容詞的用法」と「関係代名詞」を覚えたら、基本的に中学校範囲の英語は終了です。

細かい単元はまだまだたくさんありますし、「関係代名詞」なども文法問題として解くにはまだまだ演習が足りません。とはいえ、これで一通り、文章を読めるラインまでは来ました中3は、まず「一通り、入試問題を読める・解ける」というところまでいくことがなによりも重要です。

この春のスタートダッシュが、夏以降の本格的な入試演習で役立つと信じています。

 

中3生とは、「国語」の文章問題を通して、「勉強をする意義」について論じあいました。

「国語が取れない」と感じている中高生はすごく多いですから。

実は「国語」を取ることと「勉強することの大切さ」は密接に関係していると言えます。

ちょっと長くなってしまったので、この続きは次回のブログで。

 

 

 

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