中学受験

都立中高一貫校を受検することの価値。高校受験・大学受験担当講師の視点 ①

 2020年1月4日。大学センター入試まで残り14日、都立中学入試まで残り30日、そして都立高校入試まで残り48日となった。

 どの部門の受験生も全力で最後の追い上げを見せているが、やはり今年は、高3大学受験生の入試に向けた動きが例年の大学受験生のそれとは明らかに違う、と感じさせられる。

 センター入試最終年度都内私大の定員厳格化。巷では次年度の大学入学共通テストの話題ばかりが盛り上がっているが、現高3生の壮絶なプレッシャーとそれを乗り越えるために今まで払ってきた努力たるや、それこそ新聞の第一面で扱ってほしいくらいのものだと私は思っている。

 大学入試は1997年生まれの代(2016年度入試)位から徐々に厳しくなっており、今年の2001年生まれの代は、その先輩たちの苦しさを中学生の頃からずっと見てきた世代だ(小中高生が混在する塾では、先輩たちの背中を見て育ってきた生徒達が沢山いることだろう)。そして自分たちの大学入試年が恐らく(センター最終年度である故に)難しさの点で頂点になり得ることも、高校入学の時点でほぼ理解していた学年である。

 あくまで私が指導してきた規模でしかないが、私の知る限り、今年の高3生は今までで一番勉強量を積んだ学年だと評価しており、私自身も今までで一番緻密に生徒たちの受験戦略を練り上げてきた学年だと自負している。

 そんな高校3年生の、この冬最後の追い上げを目にしながら、強く感じていることがある。

 小学生までに身に付けてきた基礎学力の差はとてつもなく大きい、ということを。

私が様々な場所で指導している高校3年生を合計すると、今年は全体で約30名ほどになる。そのうち約2割は私立中学受験経験者、約3割が都立中高一貫校受検経験者、残りの半数が高校入試のみを経て都立もしくは私立の高校に現在通っている生徒だ。

 都立中高一貫校の受検を経験した者が比較的多い学年だろう。7年前、私自身が受検指導を行い、今に至る生徒もかなりいる(1990年代後半生まれから2000年代初頭生まれの学年は都立中学受検がたけなわだった頃で、塾の小学生部門でも、都立中高一貫のクラスはいわば『一大勢力』だった感がある)。

 当時の都立中高一貫校の倍率は約6倍~8倍くらい(今では少し落ち着いて4~5倍のところが多くなってきた)。しかも、立なので一人1校・1回だけの受検となる。つまるところ、私立の中学校も併願受験している一部の生徒(ご家庭)を除いて、ほとんどの都立中学受検者は大変な勉強をしたものの不合格となり、地元の中学校に通うことになるのだ。

 (クラスは違うものの)同じ小6受験生として毎日夜遅くまで切磋琢磨してきた私立中学の受験生とは、その後の動きが大きく異なってしまう。大勢の生徒が受検し、多くの生徒が不合格で合格切符が一枚もない。そんな入試に、私自身も最初は少し違和感を覚えた。

 しかし時が流れ、都立中学を受検した生徒達が地元の公立中学生になり、高校受験を経験し、そして大学受験を迎える時期になると、私自身の都立中学受検に対する見方もずいぶんと変わってきた。

 なぜなら、(都立中学の合不合を問わず)都立中高一貫校受検を経験した生徒は、明らかに頭の回転が早い、ということに気づいたからだ。

 それはなぜか?

②へ続く