大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
大森山王学院の「高校受験コース」の紹介欄には、「不登校経験がある生徒・・・・特殊な事情があったとしても、躊躇なさらずにぜひご相談ください」と記しています。
「不登校経験がある生徒の受験」と、標榜しているだけあって、「不登校」のお子さんに関する問い合わせは時々いただきます。
この機会に、「よくあるお問合せ」について私なりの考えを記しておきたいと思います。
不登校経験があるからと言って、受験や、その後の高校生活(もしくは大学生活など)を諦めるようなことは決してしないでほしいと私は願っています。
私自身も子供時代に不登校を経験しました。
まだ小学生のころでしたが、足掛け半年くらい学校に行けなかった、と記憶しています。子供の頃は非常にこだわりの強い子で、集団生活になじめなかったのだと思います。(大人になった今でも、こだわりは強いほうですし、集団行動は得意ではありませんが…)
でも、子供の頃の感情がすべてではないですし、人は成長していきます。いろいろな出会いが人を変えていきます。
言わずもがな、子供の頃には学校に馴染めなかった経験がある人で、その後、大人になって様々な分野で活躍している人の例は枚挙にいとまがありません。
だからこそ、今の10代の若者たちに対しても、「大変な経験をしたとしても、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と私は願っています。
そして、子供たちが次のステージを掴むチャンスに、周りの大人たちは目ざとくあるべきだとも思います。
不登校を経験した人でも、高校受験のチャンスはいろいろとあります。
都立高校でも、私立高校でも、「不登校経験者」を比較的ウェルカムとしている高校は、私の知る限りいくつかあります。(比較的、自由な校風で、のびのびと高校生活を送れる学校はあるものです)
また、「中学校では、なかなかなじめなかったけれど、高校では頑張りたいんだ!」という生徒たちも、今までたくさん指導してきました。中には、ものすごい努力を重ねて学力上位の高校に合格した人たちもいました。そういう自らの意思で前へ進もうとする気持ちをもった中学生を、私は心から応援したいと思っています。
さて、良い可能性について触れたうえで、
「こういうケースはお断りですよ」という注意点も述べておきたいと思います。
まず、上記にも何度も記入しましたが、
私は「不登校経験者」(すでにそれを乗り越えた人)の指導は受け入れていますが、
「現在、不登校中の中学生の方」を指導はしていません。(一部の例外を除く)
決して、今不登校の子供たちを見下しているのではなく、差別しているのでもなく。
「今は無理をするな。」
と、思います。
不登校といっても、いろいろなケースがあることと思います。ユーチューバーの「ゆ〇ぼん」みたいにポジティブな不登校の方もいらっしゃるでしょう。
でも、多くの場合、不登校をしている人は、すごくつらい気持ちで今を乗り切っています。
だから、「受験勉強なんてもの」に振り回される必要は今はないはずです。
「受験勉強なんてもの」という表現は、私のような塾講師だからこそ言えるものだと思います。
「受験は大切なものだ」ということを誰よりも知っているつもりです。
受験のキツさも、乗り越え方も知っています。
でも、「受験というものの価値の上限」をも知っているつもりです。
受験は大切ですが、受験よりも大切なことがあります。
自分の命を、自分の「生きよう」と思える毎日を、まず大切にするべきです。
今が辛いなら、そんなことせずに、今をとにかく乗り切ればいいんですよ。
それでも、「これからの人生が心配だ。」という人もいると思います。
大丈夫です。進路なんて沢山の選択肢があります。
特に今は、一般的な都立高校や私立高校なんていかなくてもいろいろな方法があります。20年前、30年前には考えられなかったほどです。(昔は大検だけでした…)
「いや、自分は将来●●な夢があるんだ。」という方もいるかもしれません。
一つ提案です。
高校ではなく、大学でチャレンジしましょう。
日本の最終学歴は高校ではなく、大学で決まります。
人生を左右するような国家資格も、技術も、大学で学べます。
そして、大学は年齢制限はありません。3年後でも、5年後でもいいんです。
「チャレンジしたい」という願いに、自分の心が追いつくまで、時間を少しだけ先延ばしにすればいいんです。
時々、不登校のお子さんを持たれる親御さんから
「うちの子、不登校なんですが、どうやって受験したらいいですか?」
「できれば偏差値〇〇以上の高校に行かせたいんです。」
「今は不登校ですが、うちの子、やればきっとできると思います。」
…みたいな問い合わせが来ることもあります。
最善の判断ではないでしょう。
『どうしても、「普通の」高校に行かせたい!』という親御さんの願い、をお聞きすることもあります。
お気持ちも、すこしだけわかります。
そういう場合は、ひとまず、「無理をせずに」中3の2学期末(11月ごろ)まで乗り切ってみて、その時の学力で、十分に余裕のあるレベルの高校を受験するのがよいでしょう。
「今は中学校に通えていないけど、高校生活では心機一転頑張りたいから●●高校を目指してがんばりたい!」
という受験生本人の意見をお聞きすることもあります。
ご本人がそういう気持ちになっているのは立派なことでもありますが、同時に、そこは親御さんがセーブしてあげないといけない局面かもしれません。
ほとんどの場合、完遂は難しいと言えます。
受験というのは、「相当なパワー」を使うものです。
ただ勉強ができるかできないか、というだけでは入試にはおおよそ勝てないですし、仮に高校に合格したとしても、私は、安心してその生徒を次のステージに送り出すことはできません。
例えば、(不登校ゆえに)欠席日数が多い生徒は、その時点で受験できない学校がでてきます。入試のエントリーすらできない現実を受け入れること、ってかなり辛いことです。
内申点が必要な場合、どうしても長期にわたって中学校をお休みをしていた生徒は不利になります。その分の「巻き返し」というのは簡単なものではありません。
成績が思うように伸びなかったり、自分の弱さを痛感する場面が受験期にはたくさんあります。(真剣な受験を経験した方ならだれもが知るところですが、非常にポジティブな人だったとしても、高みを目指して受験勉強をしていると、1度や2度ならずとも、現実から逃げだしたくなるものです。)
これは、今不登校を経験している方も、かつて不登校を経験した方も然りです。
今、学校に通えない状況で、それらの「受験の壁」を乗り越えるのは、相当難しいものがあります。
入試当日に、満員電車に乗って受験会場に行き、ものすごいプレッシャーのなかで高得点を取り切れるでしょうか?
入試が不合格だった時、そのショックを受け止める気持ちの余力を持っているでしょうか?
そういうことも事前に考えておくべきでしょう。
(いじめも不登校も経験した者の一人として)今不登校を経験している中学生にぜひ伝えたいのですが、
学校に行けなかった経験も、学校に馴染めなかった経験も、いじめを受けた経験も、すべては自分の人生の武器になり得ます。
トラウマになった…、感情がずっと過敏なままだ…、ネガティブな思考が残ったままだ…。
そういうマイナスの遺産も残るかもしれないですね。私もそれは否定しません。
でも、それ以上のプラスを作ることも可能だと私は思っています。
より一層、「空気が読めるように」なるかもしれません。
人の感情を考えて、一歩前に行動するクセがつくようになるかもしれません。
一人でいる時間が長いゆえに、いろいろなことを考える力が身につくかもしれません。
将来、一人で行動することが苦でなくなるかもしれません。
絶対、いつか今の経験が役立つ。
そう念じてみてください。
そして、今を乗り切ってみてください。
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大森山王学院では、「今の自分を本気で変えたい」と思っている中学生の皆さんのお越しをお待ちしています。現状の学力は問いません。親御さんではなく、ご本人に「今よりも勉強ができるようになりたい」という意思があること。それが唯一の入塾条件です。受験指導経験豊富なプロ講師が、受験までの走路を的確にサポートします。
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大森山王学院 中学部主任 山口 拓郎
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