高校受験

通塾スタートのタイミング。冬期講習で始めると伸びるタイプの子とは‐中学生編 ②

(1)中1生で冬に通塾をスタートすると伸びる子とは

be動詞と一般動詞の違いが曖昧になっている子。そう感じているならぜひこの冬から頑張ることを強くお勧めしたい。本人の高校受験における到達目標がどのレベルであろうと、中1生の二学期終了時点において英語で動詞の使い方がわかっているかどうか(be動詞と一般動詞の違いがどの問題であっても理解して正解できる、というレベル)は、今後の英語の成績を大きく左右するポイントであり、逆にこの単元をマスターすると、ここから先の英語の学習は一気に伸びていく、と私は感じている。中1生において、「現在進行形」が学習単元として入ってくる。この単元を習うまでにbe動詞と一般動詞の使い分けがわかっているかどうかは非常に重要だ。この使い分けをマスターせずにこの後の「一般動詞の過去形」「be動詞の過去形」「過去進行形」と進んでいくと、もはや文の並び替えも組み立ても英作文もまともにできない生徒になる可能性が高い。子供のころから英会話などを習っていて、もうしばらくはフィーリングで70点前後を維持する子もいるが、間違いなく中2の「不定詞・動名詞」に入るころには「英語が全然わからない」状態に突入する。

最近ではずいぶん減ってきたと感じるが、このbe動詞と一般動詞の混乱は、学校で「be動詞=~は」と教えられたことに起因する場合が多いのではないか。こうなると日本語で「~は」と訳せる場合はいつでもbe動詞をつけるようになり、「私はテニスをします。」という文章にも「I am play tennis.」と書いてしまう。この状態で「現在進行形」の現在分詞「ing」を習ったらどれほど混乱した覚え方になるか、想像に難くない。

逆に中1生のこの時期であれば、動詞の使い方に関する軌道修正はかなり容易だ。そしてこの冬から三学期にかけて(主語と)動詞の使い方をマスターできれば、この後の文法を習うことも相当楽になる。早い子であれば中2の春までに不定詞・動名詞をマスターできるので、英検4級の合格ラインには余裕で到達し、突き抜けることができるだろう。当然、学校の英語の評定も「5」が見えてくる。

数学に関しては、中1生の冬はA)正負の数の計算が完璧にできること。B)文字式と方程式の違いを正確に理解していることがすべてだと私は捉えている。方程式が完成されている人は、二学期で学習した「比例・反比例」の単元はなんら問題がなかったはずだ。逆に方程式でつまづいている生徒は比例・反比例も崩れており、なんとか乗り切ったとしても二学期の評定値は「3」が限界だろう。正負の数の計算(もしくはそもそも小学生の四則計算)ができていない場合、その後の数学は苦戦しつづけることになり、すでに二学期の中間・期末テストが40点を割り込んでいるはずだ。A)とB)のどちらか、もしくは両方ができていないならば、この冬の努力は非常に重みを帯びている。英語とは違い、少し時間がかかる(特に数学の正負の数の計算がつらい人)かもしれないが、中1で四則とプラスマイナスの計算の規則性をぜひ理解してほしい。計算ミスをするクセはなかなか直らない、とよく言われる。でも一度(2~3週間位かけて)集中的に計算の式の書き方から見直してみると、かなり改善されるものだ。それこそ、いつ修正するか?「今でしょ!」である。計算ミスが多いのと少ないのとでは、あるいは計算の仕方がわかるかわからないかで、数学という科目の今後は雲泥の差になることは議論の余地がない。

中には上記のような症状が出ているものの、二学期もどこかの塾に通っていた(もしくは今もいる)という生徒さんたちもいることだろう。残念ながら、塾の使い方が中途半端だったはずだ。中2生の終わりでもなければ、中3受験生でもない。数学の正負の数の計算や英語の動詞での理解不足というのは、正しくレクチャーを受ければ、あとはテクニックというより練習量でねじ伏せることができる範疇である。塾の宿題を誤魔化しながらなんとなく乗り切ってきた、週1回程度しか通塾せずインプットしきれなかった、などなにかしらのパワー不足になる要素があったのだろう。

なお、宿題をやりきるかは生徒本人の問題でもあるが、通塾回数などは経済的問題もあり限界がある、というご意見もあるだろう。

ご事情は察するが、基礎単元(上記のような英語数学の一番最初に習う単元)でつまづいている生徒に関しては、当面の間、最低でも週3回程度塾に缶詰で勉強する覚悟がないとダメだ。考えてほしいのだが、(不登校や入院などで学校に行けなかった場合を除き)お子さんはすでに学校で正負の数の計算やbe動詞を一度授業で教えられている。それでも理解できなかったのだ。もちろん、その理解力の不足を責めるつもりはない。人それぞれ理解できるスピードも違う。ただしその中学校の授業(の中でもかなり簡単な部類に入る単元)を理解できなかった子が、どうやって週1回程度の通塾でマイナス分を取り戻せるのだろうか?もし、他の生徒と同じライン(あるいはそこを抜いて上位)に入りたいならば、ご家族にも本人にもある程度の覚悟が求められることはご承知おきいただきたい。

 

以上が、冬のこの時期にぜひ勉強を本格的に始めるべき中1生、この時期に頑張り始めると大きく学力を伸ばす可能性をもった中1生のタイプだと、私は捉えている。

では、中2生はどうか。

<<③へ続く>>

 

――――――――――

‎大森山王学院では、「今の自分を本気で変えたい」と思っている中学生の皆さんのお越しをお待ちしています。 現状の学力は問いません。 親御さんではなく、ご本人に「今よりも勉強ができるようになりたい」という意思があること。 それが唯一の入塾条件です。 受験指導経験豊富なプロ講師が、受験までの走路を的確にサポートします。‎

お問い合わせ・ご相談はHPのお問い合わせフォームもしくは学院長直通TEL:090-9809-0704まで。

‎京浜東北線大森駅北口から徒歩4分。 「山王小学校」目の前、「山王交番」横のビル‎

東京都大田区山王2‐17‐9 サンシティ山王Ⅱ2F

大森山王学院 中学部主任 山口 拓郎

――――――――――

最終更新:2022年6月26日

RELATED POST