山口講師の視点

都立高校受験。ラスト二カ月半で100点伸びる生徒とは。‐2020年度都立高校入試75日前 ③‐

2)本人が自分の学力位置を冷静にうけとめているかどうか
ラスト2カ月半で当日点100点アップは確かに可能だ。ただし、どのレベルからでも100点上げられるかといえば、そうではない。例えば現時点での5科目得点が180点で280点にしたい、というのであれば、数字のみで判断する限り、私は可能性があるかも、と感じる。5科目240点から340点、300点から400点。これもまたありだ。この辺の中堅下位から中堅上位層の押し上げは一番伸びしろがあるケースがおおく、テクニックを駆使すれば大幅に上がる問題的な余地もある。しかし逆に5科目50点に満たない子を150点にする、あるいは350点の子を450点にする、という場合、私は間違いなく「残り2~3カ月では無理」、と答えるだろう。なぜか?おそらくその受験をする生徒本人が150点になること、450点になることをイメージしきれないからだ。
まず5科目50点以下、すなわち一科目10点にも満たない、ということは中学単元がなにもわからないことを意味する。数学の正負の数も、英語のbe動詞もなにも、である。おそらくは中学校のどの時点においても「なんとなくわかる」という経験をしたことがない、ということになるだろう。そこから一科目30点程度まで押し上げる、すなわち中学単元のいろいろな部分がなんとなく理解するレベルになる3か月後の自分を想像できるだろうか?恐らく無理だ。
対して高得点勝負を狙う生徒。合格点が450点ほどになる、という受験プランは異常以外のなにものでもない。都立共通校の最上位クラス(偏差値65オーバー)の高校を内申オール4を切るラインから狙う、あるいは偏差値60前後の高校を内申オール3程度でうけるようなときなどがこの状態だ。この場合、450点をとることというより、挑戦の無謀さをイメージできていない、と言えるだろう。そもそもなぜ今自分がオール3なのか、あるいはオール4をとれないのか、という事実や理由を理解していない。オール4をとる子、会場模試ですでに400点をオーバーさせる子には、その位置に身を置けるだけの学習の流儀がある。それは勉強の継続性だったり、集中力を示すべき時のメリハリだったり、積み上げた学習のテクニックだったりする。高得点勝負で大幅な押し上げを必要とする場合、内申点でも当日点でもその流儀がすべての面で足りてなかったのだ。いわばトヨタの大衆車でBMWやアウディを抜き去りたいと言っているようなもの。
もちろん、この手の点数域の生徒の中には「地頭は抜群にいいんだが(部活等引退が遅く)これまで受験勉強ができなかっただけなんだ。やれば一気に伸びる」という子も少数ながらいることは承知している。しかしもしそうであるならば都立の共通校ではなく、都立自校作成校を受けたほうがいいだろう。問題の難易度が高い自校作成校は合格点のボーダーが低い。よって内申が不利でも合格の可能性があるのだ。都立新宿や都立国分寺などであれば、英語数学がぶっ飛ぶほどとれる(各科目80点以上)生徒なら素内申が32~33くらい(3と4が半分ずつくらい)でも合格することができるだろう。もっとも、それだけとれる学力があるなら、そもそも都立高校の受験をやめて私立のMARCH付属をフリーで受けたほうが良い気もするが…。

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