山口講師の視点

都立高校受験。ラスト二カ月半で100点伸びる生徒とは。‐2020年度都立高校入試75日前 ①‐

多くの塾では11月後半に会場模試に参加していることだろう。加えて真っ当な塾であるならば、すでに授業内において過去問演習を何度も行っているはずで、実際に志望校を受験した場合、今の学力では当日点がどれくらいとれるのか、各生徒おおよその点数がデータとして積みあがっているはずである。

ちなみに受験校に合格するための当日必要点はご家庭でも簡単に算出することができる。高校受験案内等の冊子には各高校の基準点が1000点満点で表示されている。偏差値60程度の都立高校であれば800点/1000点ぐらいの学校が多い。仮にその800点の高校を、内申オール4で受けるとする。そうすると計算式は、

 

英数国理社4×5=20 実技科目4×4×2=32 → 203252 → 52÷65×300=240

→ 800240560 → 560÷700×500=400     当日必要点:400点 となる。

 

なお都立自校作成校の場合、市販の受験雑誌に記載されている基準点はあくまで参考値であり上記の計算式では点数を割り出すことはできない。そもそも上記の計算式で割り出したらとんでもない点数になってしまうだろう。自校作成校の基準は塾などで知ることができるはずだ。

蛇足だが、都立高校受験を見据えて通塾を検討されている中1・中2のお子さん・親御さんは、最初の面談時に最寄りの都立自校作成校の基準点算出方法を講師に聞いてみると面白いかもしれない。上記の「都立共通校」の算出方法でしか点数を提示できなかったり、おおよその数字しか言えない塾(とりあえず内申〇〇以上とりましょう…等)ならば、とてもではないが受験を指導できる力量はないだろう。

さて、都立第一志望校の合格点にまだ到達していない人にとって、今は戦々恐々とした毎日なはずだ。まだまだ頑張る!と意気込んでいる受験生たちは本当に立派だと私は思う。ぜひ最後まであきらめずに頑張ってほしい。

でも実際のところ、残り二カ月半でどれくらいの点数を押し上げることが可能なのだろうか?

いうまでもなく、子供たちの頭の回転速度も、秘めている潜在能力も千差万別であり、結果が表れてくるまでに時間がかかる子、呑み込みが早くすぐに実践できる子、あるいはずっと伸び悩んでいたがここからいわゆる「現役カーブ」を迎えて一気に伸びる子など様々だ。ただ、現場の塾講師だからこそ、今まで指導してきた経験から多く見られた状況をいくつか述べることはできる。あくまで私の指導してきた生徒のデータをもとにして話を展開する。一意見としてご一読いただきたい。

まず残り3カ月、という時点で志望校合格まで(5科目合計で)50点以上開きがある生徒は、一般的に志望校再検討を告げるのが常だ。言い換えれば、『普通に』受験勉強しているようでは3カ月で50点以上の差を詰めることはできないだろう。なお、普通というのは「(塾の授業も含めて)一日4時間程度の適切な学習を週7日進める」という程度の受験勉強。この水準にすら到達していない生徒は残念ながら受験生として「普通」以下であり、現状で受かる高校に志望校を変更したほうがいい。

ひとまず1日4時間くらい机に座ってはいるものの気が付けばなにかを空想している受験生、ゲームやスマホなどの誘惑に勝てず毎日の受験勉強がおろそかになっている受験生はどうか?「今からゲームもケータイも禁止させて頑張らせます!」と三者面談の場で親御さんが声を張り上げるケースもあるのだが、正直なところ今からでは無理がある。そもそもすでに受験生の正念場である二学期中間テストや期末テストは終わっているのだ。そのもっとも「修羅場」となるはずの時期においてさえ、手放せなかったゲームやスマホである。ここからどうやって辞めさせるのか?仮に親御さんが実力行使をしたところで、本人は禁断症状がでてぼーっとしたり集中力も続かない勉強が続くのが関の山。これは空想癖の子や、恋煩いなどで頭がいっぱいの子も然りである。

断っておくが、ゲームや空想が悪いわけではない。もしかしたら将来、その子は第二のビルゲイツ、スティーブジョブズのような存在になるかもしれないし、あるいは芸術や音楽の分野で活躍するかもしれない。あくまで高校入試で「短期間で大幅に点数を伸ばす」というカテゴリーに向いていない、というだけのことである。ぜひ、今行ける高校をセレクトして今後の人生を成功させてほしい。

では、残り二カ月半で50点以上、場合によっては100点以上の伸びを必要とする場合、それは可能なのだろうか。私はその生徒がそれを達成できるかどうか、いつも4つの点を意識して判断している。

 

<<②に続く>>