大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
毎年恒例の「都立高校入試」(共通問題)の振り返り。
まず、英語・数学・国語について。
一言で述べると
「簡単だな」
という言葉に尽きます。
3科目ともに、昨年度とほぼ同じような問題でした。
国語
平均点が70点を超えるであろうシンプルな問題です。むしろ昨年よりも少し簡単になりました。「これ以上簡単にしてどうするんだ?」と思います。
子供たちの国語力が下がってきているのは百も承知ですが、その「低い国語力」しかない令和の中学生でも70~80点当たり前に取れる「入試問題」ってどうなの?と思わざると得ません。
唯一「面白いな」と思ったのは「河畔」という漢字の「読み」の問題でしょうか。「かはん」ですね。中学生で「この漢字を知ってる!」という人はあまりいなかったでしょう。でも、「湖畔(こはん)」を知っている人は半数以上いたはず。そこから「かはん」を引き出した人が多かったのでは?
そんなに難しい問題ではないけれど、こういう「ちょっと工夫して考える」問題こそが「良問」だと私は思います。
英語
こちらも、昨年度と大してかわらない問題でした。問題の内容が現状維持の場合、平均点は少し上がる可能性があります(受験生に耐性ができているから)。平均点は65点弱くらいではないでしょうか。シンプルな文章・問題でした。英作文も、過去の都立高校入試で出題された文をいくつか丸覚えしている人なら、同じ文を使いまわすだけで満点(12点)取れると思いますよ。一昨年の英語の問題は「江戸時代の元服」がテーマで、「ずいぶんと攻めた内容だな」(←いい意味で)と思いましたが、今回は「あの威勢のよさはどこに行ったのだろう?」というくらい拍子抜けするほど簡単な文章でした。
数学
こちらも簡単でしたね。正直なところ、大問1の⑦で確率の問題(しかも『白玉・青玉の同時取り出し』の問題)を見たとき、私はあまりにも「芸のない」問題構成で悲しくなりました。「なんで『箱ひげ』とかにしなかったのだろう?」と。
大問1は⑨の作図も簡単でした。ちょっと「ゆとり教育」の頃の数学に戻ってしまったような問題でした。⑧の円周角も昨年の問題とほとんど変わらない(去年の作成時に余った問題でも持ってきたのか?というくらい同じ)問題でした。過去問やっていれば絶対解けます。逆に今年の都立入試「数学」で大問1を満点(46点)取れなった受験生は高校入学する前に数学をしっかり勉強した方がいいでしょう。高校数学で絶対についていけなくなります。
大問2以降も、まぁ特に奇をてらった問題はありませんでした。大問3の①関数の式の問題は特に簡単(すべての数字が出そろっていて、ただ代入するだけの問題。正答率85%とかになるのではないかな?と思います)。大問4の②証明の問題もここ10年で一番簡単な証明だったと思います。
ただ、数学はここ最近簡単なのに平均点が低い状況が続いています。2年連続50点台。今年はどうでしょう。少なくとも60点は超えるでしょう。(平均点を60点台にするためにあえて簡単な問題にしたのか?と勘ぐってしまいます)
よって、私の2023年度都立高校入試の予想平均点は、
国語73点。英語64点、数学63点。
これくらいの数字だと思います。
英数国の三科目に関しては、偏差値上位の「自校作成校」とその他大勢の「共通問題校」とで住み分けが進んでいるのかな?と私は思います。
『よりできる人』は「自校作成校」へ。共通問題校の高校は、『より基本的な学習をする人』のためのもの。
それが良いのか、悪いのか? 私は良くない方向へ進むと思います。都立共通問題校は「劣等生」だけのためにあるわけではないので。こんな「ナメた簡単な入試問題」でお茶を濁していると、中堅上位の受験生はみんな私立に持っていかれるような気がしてなりません。
さて、「理科」「社会」の問題を見ると、英数国とは打って変わって、非常に「アバンギャルド」な問題が多いな、と今回は感じます。理科・社会は共通問題の人も自校作成校の人も同じ問題です。よって、この二科目は自校作成校を受けるような上位層を随分と意識した問題になりました。恐らく理科社会は平均点も随分低い、と予想されます。この部分は次回のブログでまとめます。
――――――――――
大森山王学院では、「今の自分を本気で変えたい」と思っている中学生の皆さんのお越しをお待ちしています。現状の学力は問いません。親御さんではなく、ご本人に「今よりも勉強ができるようになりたい」という意思があること。それが唯一の入塾条件です。受験指導経験豊富なプロ講師が、受験までの走路を的確にサポートします。
お問い合わせ・ご相談は oomori.hosina@gmail.com
もしくは学院長直通TEL:090-9809-0704まで。
京浜東北線大森駅北口から徒歩4分。「山王小学校」目の前、「山王交番」横のビル
東京都大田区山王2‐17‐9 サンシティ山王Ⅱ2F
大森山王学院 中学部主任 山口 拓郎
――――――――――