中学受験

子供の頃に影響を受けた本と国語力

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「逆転合格専門塾」大森山王学院です!
こんにちは、学院長の保科です。

実は大森山王学院にもTwitterアカウントはございまして。

今日はそこからのお話です。

ある国語の先生が(許可をとっている訳ではないのでここでは匿名にさせていただきます)、「自分が本好きになったのは間違いなく『ズッコケ三人組』のおかげである」とTwitterで書かれていたのですね。

ちょっと悩みましたが、個人ではなく学院アカウントで反応してしまいました。
僕も大好きなんです、「ズッコケ」シリーズ。
ドラマにもなりましたので、ご存知の方も多いことでしょう。

僕は「児童書」というジャンル分けが良いかどうかはわかりませんが、自分は確実に図書館の「児童書」コーナーで国語的に成長していったと考えています。

両親や祖父母が買い揃えてくれた、ポプラ社の伝記シリーズも効果が大きかった(例えば、「こみあげるおえつの中で頼朝は言いました」などという表現、大人に聞いた上でよく考えないとさっぱりイメージできない)のですが、図書館の児童書はさらに身近な世界を開いてくれたのですね。

最初は多分、寺村輝夫さんの「王さま」シリーズだったと思います。
「おしゃべりなたまごやき」が有名ですよね。

そこから色々、本当に様々な本を読みました。
そして、学びました。

やったこともない少年野球の、試合の緊張感、監督の怖さ、ライバルへの憧れ、失望、再起。

やったこともない釣りの、要求される忍耐力の凄さ、仕掛けに凝らす工夫、自然の強さに直面すること。

見たこともない野生の狼の、賢さ、強さ、遠吠えの恐ろしさと、これまた見たこともないハンターとの知恵を尽くした戦い、そして突然訪れる悲劇の容赦なさ。

そういうたくさんの物語を読む中で、まさに「勝手に」国語力が培われていったと言えるでしょう。

とは言っても、これは「やたらめったらに所謂『受験によく出る本』を読ませれば成績は上がる」なんてことが言いたいのではありません。むしろその逆だと思います。

幼い頃の僕は、単純に「面白い!!」と思った本を次々に(もちろん自発的に)読んでいって、結果、そこから知識的なものをたくさん吸収した、というだけのことです。

ただ、ズッコケ三人組シリーズから得た知識は、とてもよく覚えているものが多いのです。
例を少しだけ上げましょう。

「ズッコケ時間漂流記」という作品で、主人公たちは江戸時代にタイムスリップし、平賀源内と出会って彼と一緒に暮らします。もちろんエレキテルも出てくるのですが、僕が強烈に覚えているのは「ふんどし」には二種類ある、ということと、当時の歯磨きはブラシのようなものに塩をつけてこする、という話。

「とびだせズッコケ事件記者」では、主人公の一人「ハカセ」がニセ金に興味を持つのですが、そこからまさかの「和同開珎」という単語を覚えました。
はい、今でこそ「富本銭」が日本最古のコインだという話になっていますが、当時は「和同開珎」だと、受験問題にもよく出ていたのですね。五年後半で習う知識を三年生で知ってた自分、ヤバい(笑)。

少し後になりますが、「噂のズッコケ株式会社」では、「株式会社」はもちろん、「資本金」「株式」「発起人」「配当」などなど、普通に中学受験で学ぶものやそれよりさらに高度な単語まで覚えました。

全部、勉強するという意識はゼロ。
「へええ〜そんな風だったんだ!」「そんな仕組みなんだ!」
という面白さのみが、30年以上経っても鮮やかに残る知識になったのです。

ですので、今、国語が伸びないとお悩みの(3〜5年生の)保護者のみなさん。
繰り返しますが、手当たり次第に「去年出た本」を読ませるのはちょっとお待ちください。

それよりも、もし「ご自分が読んで面白かった覚えがある」本が一冊でもあるなら、まずはそれをお子さんとご一緒に読んでみるのはいかがでしょうか?

図書館を利用するのも、ブックオフのような古書店で探すのも、もちろん電子書籍でも構いません。

薄い本、短いお話でいいのです。
親のあなたが「面白かった!」と言えるお話なら、お子さんがそれに反応する確率は他より高いとは思えませんか?
それについて話し合うのは、血眼になって漢字練習や計算特訓をするより、少し楽しいのではないでしょうか?

毎日でも毎週でもなく、月に一回くらいでちょうど良いと思います。
「お父さん文庫」「お母さんブックス」、オープンしてみたらいかがでしょうか、というお話でした。

ちなみに僕は、「ズッコケ三人組」シリーズから更に他へ、いわゆる「活字狂い」の道を進んでいくのですが・・・
機会があったら、またそのお話を書きたいと思います。

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