高校受験

コロナ休校中にできる有益な勉強-中学1年生~中学2年生編 ①

今回は、塾などに通っていない中学生に向けて具体的な学習アドバイス

(既に塾に通っている人は、その塾から出される指示にしっかり従っていければ大丈夫!←たぶん…。)

多くの中学校は始業式もしくは入学式は実施したと思います。そして初日に学校で新学年の教科書を受け取ったはずです。もしかしたら「休校期間中の課題」みたいなものが出された学校もあるかもしれない。

ただし、当たり前だけど学校から出される課題は既に習った範囲の復習部分になるでしょう。さすがに学校の場合、「休校の間に新しい範囲を自学自習でがんばれよ!」とはならないだろうから。

 

具体的アドバイス①

まずは「勉強はできるかぎりしたくない。」という人へ

ぜひその課題だけなんとかやりきって休校明けに学校に提出しよう

塾講師が言うのもなんですが、そういう人生も十分にアリだと私は思います。勉強がすべてではないし。

ただ、与えられた課題だけはやったほうがいいと思いますよ。「勉強が嫌いなら、いっそのこと宿題なんか全部サボっちまえ」みたいな意見を述べる大人もいますが、私は「違うな」と思います。だって勉強ができなくても世の中渡っていけるけど、約束を守れない期日を守れないミッションをこなせない、という人は社会では通用しないから。大人になったとき社会人として生きていくつもりなら、学校が出してきた課題ぐらいはやりましょう。(ユーチューバーとかで生きていくなら別です。我が道を行ってください。)

 

でも、それだけでは不十分だ、と感じる親御さんや中学生当人達も沢山いるはずです。勉強が好きかどうかは別にして、このままダラダラと、本来覚えていくべき学習内容も覚えられず時間が過ぎていくことに危機感を感じる。あるいは(この休校期間の遅れは必ず年度後半でしっぺ返しになるはずなので)学校が再開されたときにすごいスピードで進んでいく授業についていけるか、と不安に感じる、等々。

 

具体的アドバイス②

そう感じる中学1年生・中学2年生たちは、この休校中に何ができるか

いくつか提案してみたいと思います。(私なりの優先度順に書きます。)

 

①都道府県・県庁所在地・日本の世界遺産・工業地帯(地域)・産業・特産品などを覚える。

え?いきなし社会かよ!?

と思うかもしれません。その通りです。英語よりも、数学よりも、まず社会から手を付けてみるといいなぜなら、これらすべては他の人の助けを借りずに自分ひとりでもできることだから。英語の文法や数学の解法はだれかに教えてもらわないと理解できない、という場合があります。でも都道府県の暗記に人の助けはいらない。

特産品や世界遺産、山脈名、有名な河川、主要都市などがすべて書かれた1枚の日本地図を持っていますか?小学生の時に部屋の壁に貼っていた、という人もいるかと思います。あれは宝の地図ですよ。だってたった1枚の紙に高校受験までに必要な「日本地理」の内容がほぼすべて書かれているわけだから。高校入試までに必要な地理の知識のほとんどは、小学生までに習う範囲と大差ありません。

「中学生にもなって、いまさら『にほんのすがた』とかひらがなで書かれたでっかい地図なんか張れるかよ」って思いますか?

もし、そう思うなら「自分は本当にその地図に書かれている内容をすべて知っているんだろうか?」と自問してみてください。各都道府県の特産品はおろか、県庁所在地すらすべて漢字で書けない自分に気づくかもしれません。まず、地図をじっくり眺めて思いめぐらしてみてください。都道府県や都市名の漢字を覚えようとするのではなく、どこにどんな地域があるのかを眺めてください。読めない都市名はまず漢字を調べてみること。その都市の名前が発音できると、その地域を少し身近に感じるものです。

地理を覚えると、いわば社会の窓がどんどん開いていって、毎日報じられているニュースにもついていけるようになります。新型コロナウイルスのニュースで各都道府県の感染者数が報じられます。県の位置を理解していると、少し興味がわきます。そのエリアがどういう地域なのかも理解するともっと深い内容に気づけるようになる。なぜ愛知や兵庫の感染者が多くて、島根や鳥取の感染者が少ないのか。太平洋ベルトで工業地帯(地域)が繋がっており人口が集中していること、それに沿って新幹線や高速道路が整備されていること、過密地域から山地を隔てると過疎地域が存在すること…。地図を見ながら、日本の都市がどういうふうに形成されていってるかがよくわかってきます。

もしこの日本地図からスタートして色々興味が出てきたら、インターネットを使ってどんどん調べてみてください。まずは「〇〇県 有名人」とか検索したりして、その県出身の知っている人を調べると興味が湧いてきます。(「秘密ケンミンSHOW」みたいなものかな?)

少し慣れてきたら、「漁業 有名な港」とか「自動車 工場」などと入れてみる。

「へぇ~、ツナ缶ってマグロなんだ。(英語Tuna=鮪)。静岡の焼津が遠洋漁業の港で有名だからツナ缶って静岡なんだ」とか。

「日産のノートe-powerって神奈川で作ってるんだ。あ、日産って横浜が本社なのね。自動車で有名なのって愛知(豊田)だけじゃないんだぁ」とか。

こうやって日本地理で色々興味をもって調べたら、今度は世界地理や歴史も同じように覚えてみたりして…。

世界地図も一枚の大きな地図からいろいろなことが学べるし、歴史は「日本の歴史」シリーズのマンガを全巻買ってきて読んでみるのも面白い。

 

中3受験生だったら、こんな悠長な勉強方法は絶対にできないと思います。

そして、中1・中2生の皆さんも普段の学校生活や部活動などに追われている毎日だったら、絶対にそういうことをしようと思う気力がわかないはず。

でも、今ならそういうことができます。少なくとも、テレビで毎日コロナの不安を煽りまくっているワイドショーなんか見てるより、よっぽど有益な時間だと思いますよ。

 

ずっと社会科を担当してきた私の個人的な意見として(私は英語と数学と国語も担当しますが)、「社会」がすごく好きな子(興味を持って色々知っている子)は、たとえ英語や数学の学力が相当低くても、その後の指導次第で大幅に巻き返しができます社会が好きな子は、中2生でオール3でスタートしても都立の自校作成校(新宿・青山あたり)を合格するラインまで持ち上げる自信が私にはあります。

逆に、(本人なりに)一生懸命頑張ってるんだけどなかなか学力が上がらない(私たちもなかなか上げさせてあげられない)子というのは、多くの場合「社会」があまり好きではない(日本の地理や歴史を知らないし興味がわかない)ことが多い。

これは、社会という科目が好奇心や探求心から覚えていく科目だからだ、と私は個人的に捉えています。

興味がないと、都道府県も、世界遺産もただの漢字を暗記する作業でしかない。興味があると都道府県の名前を覚えながら、その県がどんな県なんだろう?→ああ、こういう県なんだ!→あ、テレビでこの県のことが出ている…となってもっと深く知るようになる。

勉強って、好奇心と探求心から出る作業の繰り返しです。こういうクセをまず社会で覚えると、数学や英語にも同じ思考パターンが身について、どんどん吸収できる子になる。だから伸びる。

私の専門外なので、詳しくは論じませんが、おそらく「理科」という科目も同じだと思います。もし身近に理科を専門とする先生がいるなら、私がこの「社会」で提示したようなアプローチを理科でもできないか聞いてみるとよいかもしれません。

時間がある今のうちに、好奇心を培う。まず社会からやってみませんか?

では、英語や数学は、このコロナ休校期間に、どんなことができるか

次回のブログでまとめてみたいと思います。

RELATED POST