高校受験

夏期講習はこんな授業をしていましたー「中学生の国語」はこうやって伸ばす。

大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。

 

突然ですが…

夏期講習に生徒たちと動画(YOUTUBE)を見ていました。

「え、休み時間に?」

いいえ、授業です。

みんな、ガチで集中していました。(ノートパソコンの画面ですみませんでした…)

生徒たちは、映像で取り上げている内容を用意したプリントにメモしています。

 

今年の夏の「国語の授業」でした。

 

一般的に、塾の「国語の授業」というと、夏期講習のテキストを解いて解説する、というのが昔からのスタンダードです。

論説文とか、小説とか。

高校入試の「国語」も論説文や小説を解くので、最終的にそういった文章をスラスラ解けるようになるのが理想です。

でも、塾講師を20年やっていて、子供たちの国語力が年々下がってきているのをものすごく実感しています。

もう、その低下レベルたるや、見事なほど!…顕著に下がっています。

学力最上位層の国語力はそんなに変わっていないけれど(芦田愛菜ちゃんの語彙力・表現力をみれば、現代の若者でもすごい子は沢山いることがわかると思います)、9割くらいの中学生・高校生は、国語の「記述問題」が本当に解けなくなったな、と感じます。

仕方のないことだと思います。

SNSが普及して、会話が減りました。(『実りのある』会話が減った、ということです)

 

「示唆に富む、啓発的な内容だと思いました。」

「とても興味深い内容でした。」

「いい話だな、と思いました。」

「すごいな、と思いました。」

「やばい」

「それな」

「ww…」(草)

・・・・。

言葉って、どんどん貧しくなっている、と感じます。

だから、いざ10代の若者たちに、なにかの感想を聞いても、言葉が出てこなくなっている…。

そこに、風穴を開けたいと思い、今回は中1生・中2生、中3受験生合同で、

「YOUTUBEの動画を見て、理解したこと、感じたことを文章にしていこう」というテーマで国語の授業を実施しました。

 

お題は24種類。

少子高齢化や過疎化、多様性、経済問題…等々。

昔は、各家庭で新聞を取っていたり、テレビのニュースが毎日流れていたりしたけれど、もはやそういうオールドメディアは廃れてきているし、そもそもテレビでは表面的な物事しか扱われなくなってきているな、と感じます。

本当の意味で、多様性を認める、って何なんだろうね?

「トゥレット症」とか、「吃音症」って知ってる?

夜間保育、大阪ミナミの繁華街、高度救命救急センター、オルタナティブスクール、アサヒビールの営業マン、カルビーの商品開発、21歳のタクシー運転手、深夜の新聞配達…。

日本一人口が少ない青ヶ島、廃校になっていく生徒が1人しかいない小学校、利用者が減って廃線になっていく北海道の鉄道…。

東京23区にいて、豊かなエリアで、同じような層の同じような中学生たちだけに囲まれた生活の外側をどんどん知ること、そして知って感じたことを拙くてもいいから「言語化」「文章化」していくこと。

それが中学生の国語力を上げるうえで、まずは必要なことではないか、と思います。

 

最初は、動画を見ても、文章を一言もかけない生徒も何人かいました。

あるいは、文章にできても、「話ことば」になってしまったり、

色々書いてはいるけど、いわゆる「通り一辺倒な答え方」になってしまったり…。

学力に応じて、改善点は違うけれど、皆、やるべき課題がありました。

 

でも、最後はかなり上達したと思います。

「まったく文章が書けなかった」生徒たちも、自分の思いを文で表現できるようになりました。

 

私自身、長い間大手塾で教鞭をとってきました。

毎年、決められたテキストで授業をすることが歯がゆくてたまらなかったことを何度も経験しました。一番感じていたのが「国語」でした。

既成の国語テキストでは、今の令和の子供たちの国語力を上げるのは無理がある、と私は思います。

まずは、SNSに慣れてしまった「貧しい文章」から抜け出すこと、そして、感じていることを文章にしたり、言葉にすること。

そのうえで、高校入試や大学入試の「国語」にアタックする力を培うこと。

この夏、この特別な国語授業を受講した生徒たちが、来年、再来年の「受験」を迎えたときに、どういう結果が出るか、私は楽しみにしています。

きっと、何かの変化を掴める日が来ると信じています。

 

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