大田区大森の進学塾、大森山王学院の山口です。
中学部の授業では、普段「数学」を学院長の保科先生がご担当されています。
が、季節講習の時だけしれっと実施している「山口の数学」。
レアです。←普通に別塾では毎週「数学」や「理科」も指導しています。
各学年、そして各生徒、努力すべき場所が違いますが、基本的に季節ごとしか数学を見れない私は、最も重要な3つの単元がどれくらいできるようになるかに注目して教えています。
それは、
①計算
②関数
③図形の角度
です。
この3つができれば、都立高校入試の場合55点~60点を取ることができます。
計算は「正負の数」から始まります。中2だろうが、中3だろうが、私は正負の数から始めます。「プラス・マイナス」の感覚、「分数」の計算、「割り算」に対する見方、プリントを2枚解けば、その生徒の計算力がほぼわかります。(上記は私が作ったオリジナルプリント。バラエティーに富んだ88問。これで全部が見えます。)
連立方程式や因数分解が苦手な生徒は、「正負の数」の計算を大量に解くと必ずと言っていいほど「もたつく」か「間違え」ます。
よく、「わかってはいるんだけど、ケアレスミスをした」と発言する中学生がいます。(今年在籍している特定のだれかのことを言っているわけではありません。毎年のことです。)
でも、「わかってない」んですよ。プラスマイナスも含めて「数字」が頭の中で確実にイメージできていない。だから、掛け算にしても、引き算にしても間違える。そして、二次方程式や平方根でも間違え続けるんです。
「正負の数」の出来が怪しかった生徒はまずこのプリントを完璧になるまで繰り返します。
そして、次に「式の計算」(文字式)の加減(足し算・引き算)、乗除(掛け算・割り算)、連立方程式、と3枚続けて計算特訓が続きます。
ここまでクリアした時点で、中2生はようやく「一次関数」に入りますが、中3生は「因数分解」・「平方根」・「二次方程式」とまだまだ計算が続きます。
さて、計算が終了したら、「関数」です。
計算の基礎力がついている生徒ならば、夏休みの数学はずっと「関数」をやっていてもいいかな、と思うほど、私は関数を重視します。
中2生にしても、中3生にしても学校の二学期定期テストのメインがこの関数ですから、文字通り「重要」な単元です。
でもなにより、中学生の「関数」の問題は、解く生徒の数学力がフルに試される、という点で良問だと私は思っています。交点の座標を求めるときの計算力、変域を求めるときの感覚、質問を正確に読み解く文章理解力、関数に囲まれた図形の面積の問題を解くときの発想力…。
関数の問題を解き続けると、数学の問題を解く力全体が上がる、と多くの卒業生たちが実感してきました。私も指導する立場としてそれを実感します。
もっとも、「一次関数」や「二次関数」で数学が嫌いになった、という大人の方も多いでしょう。
今教えている中学生達も、最終的に「数学が嫌い」で学生が終わってもいいと思います。(私も最終的には文系の道を進みました。)
でも、学生の間に最低一回は、関数の問題を全力で考え続ける期間を持ってほしい、と思います。それで「自分の思考の限界」を感じて、最終的に数学が嫌いになったらそれはそれでいいのではないかな、と。
あるいは、その努力が予想外の将来を生み出すかもしれません。
さて、最後に「角度」です。二年生は「平行線と角」が、三年生は「円周角」が2学期期末テストの範囲になります。
「図形が苦手」という人。まず「角度」を取っ掛かりにして、図形に入り込んでほしい、と思います。計算ができるようになれば、「角度」の問題も必ずできるようになります。
数学が大の苦手、と言っていた中学生が、計算の次に、最初にできるようになるのが「角度」だったりします。
「これだったら、自分でもできるかも。」
「私、こういう問題好きかも。」
数学で20点、30点だった生徒達が、角度の問題を解きながら、そう言ってくれた時は、本当にうれしいものです。
そして、角度が解けるようになると、「そのほか」の図形や文章題も「取り組んでみようかな」と思うようになります。そうやって、ジワジワと数学で成績「2」から「3」へと上がってくる。
「角度」はそんな「数学嫌い」から「数学嫌ではないかも」の道に入るための登竜門。だからこそ、夏の時期に全員に経験させてあげたい単元です。
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