高校受験

高校受験-志望校選びのポイント ①学校見学・説明会の時に注目すべき3つのポイント

学校が再開されたとはいえ、今年は学校見学や説明会が例年のように幅広く行われるとは考えにくい。

ただ、高校を受験するにあたって、何かしらその高校を実際に観る機会は中3生に与えられるのではないか、と私は考えている。一度も学校を実際に観ずに、ウェブやパンフレットだけで受験する学校を確定させるのはあまりにも殺生だ。もしかすると、夏や秋の時期に大規模な説明会などではなく、個別で学校を見学する機会ができるのではないだろうか。そうだとすると、これは願ってもないチャンスになると私は考える。

というのも、例年私は学校説明会や文化祭などでの高校見学をあまり受験生や保護者の方におススメしていないのだ。

体育館などで保護者や受験生を一堂に集める学校説明会は、概してその学校の本当の姿を映してはいない。校長以下、筆頭格の教師たち何人かがその学校の魅力を伝え、生徒会長に代表されるようなその学校の「模範的な」生徒の何名かが学校生活について語る。そんな「余所行き」みたいな会を見て、その高校の何がわかるのだろう。毎年学校説明会に参加された後に、何人かの保護者の方が仰る点だが、話が上手い校長や広報担当の教師がいる学校の説明会を聞いてこられた方は往々にして「いい学校だった」と言い口下手な校長がいる学校の説明会を聞いてこられた保護者の方は「あの学校は、なんだか元気がなくて…」となる。こちらも近隣の高校の校長先生や広報の先生がどんな方かは大体把握しているから、「やっぱりな」と思わざるを得ない。

文化祭などの行事の見学も同様だ。最近は随分と減ったが、ひと昔前の保護者の方だと、文化祭を見てこられた感想として、「みんな騒がしくて、ひどい生徒ばかりだった」というコメントをされる方が多かった(昭和30年代生まれの親御さんが高校生だったころの文化祭は静かだったんでしょうか?)。「いや文化祭なんだから当たり前でしょう…。」テンションが上がってお祭り騒ぎで盛り上がってる生徒を見ても、普段の学校の様子などわからないものだ。

私は学校の日常の様子がわかる日に学校見学に行くように受験生と保護者の方にはおススメしている。

学校が設けた授業公開日、もしくは可能なら高校に電話を入れて個別見学を申し出てみるといい。平日の夕方や土曜日の午前中などであれば、私立高校ではこの個別見学を受け入れてくれるところがかなりある。公立高校も入試の直前期になると「自由にみてください」となることも。ポイントは保護者の方がアポを入れること。生徒本人だとあしらわれてNGになることが多い。

そうすると学校の普段の様子がよくわかる。授業公開日であれば、授業中寝ている生徒、おしゃべりをしている生徒、勉強に集中している生徒等々、日常の授業風景を見ることができる。先生の授業のクオリティーもわかるだろう。夕方や土曜日に行っても、生徒たちのワイワイした様子、部活動の雰囲気などを掴むことができる。

親御さんの世代も随分様変わりしたし、前述の文化祭に関するコメントなどはほとんど聞かれなくなったが、ぜひ学校見学をした際は、一人一人の生徒たちの言動で学校の善し悪しを決めつけないように心に留めていただきたい。高校にはいろんな生徒がいるわけで、行儀の悪い子だっている。たまたま生徒達が大騒ぎしている場面に出くわしたからと言って、その学校の生徒がみんな悪いわけでもない(その大騒ぎをした生徒自身も悪い子とは限らない)。これは先生についても同じ。悪態をついている先生を目撃したからといって、その学校の先生全員がダメなわけではない。

 

ただ、私は学校を見学した際に、必ず3つの点を注目するように勧めている。

 

①生徒用のトイレに入ってみる。

生徒の学校生活が安定しているかどうか(学校全体として生徒たちの心が荒んでいないかどうか)はトイレの使い方に表れる、と私は考えている。私自身、(塾講師を対象とした)学校見学・学校訪問の際は、誘導係の先生の案内を無視して、色々な階にあるトイレの様子を見るようにしている。生徒がしっかりしてない(先生たちもしっかり管理ができていない)学校はトイレに落書きがあったり、便器やドアが破損されていたり、シンクの周りが汚れていたりする(←もちろん、慢性的な汚れ)。どんなに新しい改装した校舎でも、トイレだけは生徒たちの普段の日常がすぐに出てしまう。逆に、古い校舎の古いトイレでもそれなりの清潔感を保っている学校は「いい学校」だと私は判断する。

 

②ロッカーの様子を見る。

これまたトイレと一緒で、生徒たちの普段の生活が良く表れているエリアだ。本当にしっかりした学校は何十年も(金属部分が一部錆びてくるぐらいにまで)同じロッカーを使っているが、びっくりするほどきれいだな、と感じる。ロッカーが蹴られて凹んでいたり、取っ手が荒らされて壊れていたりするロッカーが何か所もあったりするのを見ると、「ああ、この高校はその程度の学校なんだな」と思わざるを得ない。

いままで一番驚いたのは、多摩地区のある女子高校のロッカーだった。なんとほとんどのロッカーに南京錠が付いていなかったのだ。平成の時代に(当時はまだ令和ではなかった)、ロッカーにカギなくて大丈夫なの?と一瞬不安になったが、その高校の先生にお聞きしたところ、「みんなカギはつけないが、今まで財布等盗まれたというようなことは聞いたことがない」とのことだった。

これこそ「民度」だよ(笑)

 

③学校見学の際に、見学者に挨拶をしてくれる先生が何人いるかを見る

公式の説明会などに行くと、特に私立高校などは本当に至れり尽くせり先生たちがニコニコと出迎えてくれる。さすがに私立は客商売。表の顔がしっかり出来上がっている(まぁそれは塾も同じだが…)。ただ、平時の学校生活において先生たちがどれほど来訪者を意識しているのかを私はいつも気にかけており、非公式で高校を訪問した際は先生たちの様子にいつも注目するようにしている。

普通、来訪を意識している(客商売としての立ち位置を理解している)学校であれば、保護者と受験生本人、つまり見学者然とした二人が歩いているなら、可能な限り先生達は挨拶ぐらいはするだろう。

もっとも、過剰な期待をするのは間違っている。先生たちの多くは生徒への指導やその他の業務を行っており、わざわざ授業を止めて挨拶をしてくる先生などを見ると、ちょっとやりすぎた感を受ける。

学校には色々な先生がいる。不愛想な先生もいるし、生徒を大声で怒鳴りつけている先生もいる。それぞれ個性があるからただ一人の先生の対応でその学校のイメージを決めつけたくない。ただ全体として、1時間、2時間校舎にいたのであれば、何人かの先生が挨拶くらいはしてくれるはずだ。その様子を見ていくと、学校そして先生達のイメージがある程度つかめるだろう。(これは塾選びをするときにも通ずるものがある。)

ちなみに批判なってしまうが、公立高校は「本当に残念」という一言に尽きるほどこの点ではダメだ。これは挨拶に限ったことではない。仕事柄、公立の先生達と名刺交換やちょっとした立ち話をすることもあるが、40代・50代にもなって名刺交換さえまともにできない先生が多すぎる。考えて見ると、自分自身が中学生・高校生だったころ(中高ともに公立だった)、学校の先生をビジネスマンとしてみたことは一度もなかった。あくまで公立の先生は「先生」だったのだ。「お父さん」、「お母さん」、「先生」…みたいな。だから、そんなに期待すること自体間違っているのかもしれない。ただ、一つ言えるのは、公立高校で、先生たちが何人も元気よく挨拶してくれる高校があるとしたら、それは相当「いい学校」だと思っていいだろう。立派な「先生」達に違いない。

 

② 「卒業後の進路」のページを見るときに注目すべき3つのポイント の記事に続く