大学受験

自分で過去問を分析する力を身につける-2021年大学受験 共通テストと合格の目安 文系編

「模試がないから自分の今の学力の位置がわからない」

インターネットなどで受験生と思われる人たちのコメントを目にします。

 

中3生の人は、今模試ができないことを悩む必要は全くないですよ。そもそも今は過去問を解く時でもないと思います。(一度試しに第一志望校の過去問を解いてみて、「ゴール」を知るのはアリ)

中学生は今はひたすら基礎固め。まずは3年分の数学と英語の知識を、解説付きの問題集でガシガシ解いて覚えてください。時間があれば理社もです。それが全部完了するのはたぶん夏以降になるでしょう。

 

高3生は「きついなぁ」と感じている人たちもいるのかもしれません。

河合のマーク模試とかも中止になってしまいましたしね。(東進は通塾生のみオンラインで模試が実施されました。)

でも、高3生こそ、自分で過去問を解いて分析したらどうかな?と思います。

センターの過去問でもいいし、(今過去問を使いたくない人は)河合のマーク模試とか東進のセンター本番レベル模試の過去問でもいいと思います。←本屋で買いましょう。

「来年はもうセンターじゃなくて、共通テストだし」

「国公立じゃなくて、私立の一般を受けるからセンターやってもしょうがない。」

って思う人もいるでしょうが、基本的にセンター入試の過去問で大丈夫ですよ。

センターって良問で汎用性があって、学力を測るにはちょうどいいテストです。

 

英語と国語の筆記問題を使って、自分の力を分析してみましょう。

 

まず、既定時間(80分)を目一杯使って全力で解いてください。たぶん解ききれない人が多いはずです。

80分が経過したら、今度はペンの色を変えて、何分かかってもいいのでもう一度大問1から全部納得がいくまで解きなおしてください(時間内に解ききれなかった問題もここで解きます)。もちろん、辞書等の使用はダメです(それは直しでやりましょう)。

さぁ、採点。

1)80分の既定時間内で解いた結果の点数

2)無制限で解いた結果の点数

を両方出します。

 

①②ともに120点以下(6割未満)だった人は、要するに「読めてない」人です。でも、絶望しないでください。センターの英語や国語って当日の平均点が120点くらいです。今既に110点とか取れているなら、入試8カ月前にして平均マイナス10点のところまで来ている。

センターの英語で120点というのは自然に取れるものではないです。普通に中堅もしくは中堅上位クラスの高校で、ただ授業だけを受けてきた人、特に受験勉強とか検定の勉強とかしたことがない人ならば、最初は100点を切ることのほうが多いはず

そう思うと安心しますね。ここから、がんばって単語とか覚えよう!みたいな。

で、安心させておいて、ここから塾屋として現実的な話をします。

最終的に来年の1月の時点で、共通テストで英語と国語が6割(新しい共通テストは英語筆記200点満点ではなく100点満点です)しか取れなかったらその入試は終わってます

総じて1月に英語・国語で6割しか取れない子は、苦しい入試になるでしょう。特にここ数年は(10年前、20年前とは比較になりません)。はっきり言って日東駒専全滅、大東亜帝国も東京経済大や亜細亜大は無理だと考えたほうがいい。大東文化大か、もしくは方向転換して明星大なら、なんとか行けるか…。あるいは女子なら倍率狙いで東洋英和やフェリスなどを狙っていくかも…という受験になるはずです。

もちろん、英語・国語の点数がすべてじゃない。センター(共通テスト)の点数で受験が決まるわけでもありません。「自分はセンターの英語6割だったけど、日東駒専受かったよ」という現役大学生もいるはずです。(昨年も私の生徒でセンター英語が6割台だったが、最終的に東京農工大、中央大、法政大と受かっていった生徒達が何名かいます。)あくまで目安と考えてください

 

MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)は確実に複数校合格させていきたい(最終的な志望校はもっと上)と思うなら、1月の共通テストで85%を超えるイメージを持ってください。

MARCHが目標。ワンチャンありかな。最低でも成蹊・成城・明治学院・武蔵・國學院・東京女子・日本女子あたりには受かりたい、というスタンスなら1月の共通テストで80%を狙うイメージを持ってください。

 

恐らく、首都圏の多くの受験生は②に該当すると思います。上位の進学校に通っている高校生以外は、基本私立大狙いでしょう。「第一志望校は一応MARCH」という状態。

でも、都内の私大は定員厳格化で合格がなかなか出ません基本的に①のグループにMARCHはかなり占領されてしまい、②グループの人たちは、なんとか下のほうに食い込むか、①のグループが(上位校に合格して)抜けるのを待って補欠の繰り上げ合格になるか、という感じになるでしょう。しかも、そうなるのはかなり上手くいった(強い意志を持った)人たちです。そして、そういう強い意志をもって入試を戦い、かつ受験戦略がしっかりしている受験生達は、成蹊大や明治学院あたりにも複数校合格が出たりします。よって、MARCH全滅でも最終的に上記にあるような中堅上位大に入学することができたりします。

 

逆算して考えましょう。

8月末の時点でセンターの過去問英語・国語を

①の人たちは 80%以上とること(2科で320点 国語漢文なしの人は2科で280点)

②の人たちは 70%以上とること(2科で280点 国語漢文なしの人は2科で245点)

 

ここ数年、私が高3生たちに伝える目標点です。この数字がすべてではないですが(前述の通り、この点数未満でも志望校合格する子はいますし、この点数を超えていても当日上手くいかない子だっています)、1月・2月のゴール地点を考えると、目標にするべき適切なラインだと思います。

高3受験生の方は、まず模試の過去問でも何でもいいので、疑似問題を解いてみて点数を出してみてください。そして上記の夏までの中間目標に残り3カ月でどうやって追いつくか考えてみてください。自分でプランを立てられるならそれをやり切ればいいし、塾に通うことがふさわしいなら、オンラインでも映像授業でも何でもいいからアドバイザーの先生にしっかり指示をもらってやってみることです。

 

受験勉強のやり方って、それぞれ塾講師によって指導方法が異なります。「センター試験(共通のマーク問題)の点数なんて関係ない。自分の志望校の赤本でとれるかどうかがすべてだ」という先生もいるし、「基礎が出来上がってないのに、過去問をやる意味なんてない。まずは文法対策だ」という先生もいます。

大学受験まで指導できる塾講師というのは、基本的に受験指導に関して腕に覚えがある先生ばかりでしょうから、おそらくどのやり方も正しいはずです

ただ、私は、まず一回、早めに過去問を解いて現状を知るべきだと思います。そして目標点とその期限をしっかり定めて、そこまで到達するためにはどうしたらいいのか、自分には何が足りないのか、としっかり分析して、それを実行する。そのトライアンドエラーの繰り返しが受験勉強だと思っています。

私は、塾講師の仕事に就いていながら、自分自身は学生時代に塾に通ったことがありません。だから、大学受験の時もよく自分で分析をしました。どうやったら8割とれるんだどうやったら解くスピードを上げられるんだ?、とね。

でも、それって重要だったな、と今振り返って思います。先生とかが手取り足取り教えると、ただそのミッションをこなしていればいいんだ、となるので考える力が伸びないし

そもそもなんで企業は大卒の人間をとるんだ?って考えます。分析して、論理的に考えて、自らの力で実行できる人がほしいんではないでしょうか。

だから、大学受験はその訓練ですよね。

もちろん、塾屋として、そういう風に考えて分析して実行する高校生を、私は応援したいと思ってます

そもそも私(というか大森山王学院)は、すべてを手取り足取り教える講師(塾)ではありません。生徒さんたちが一生懸命考えて実行するための土台(プラン)を考え、それが無事進むようにサポートする教室です。

なにか受験勉強で悩むことがあったら、ぜひ当学院にご相談ください。

 

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大森山王学院 中学部主任 山口 拓郎

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最終更新:2022年6月26日

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